兄姦(10)

 紐を食いこませてどす黒く変色してしまった兄の肉棒に鋏を充てると兄は恐怖と緊張に顔を引き攣らせながらも何処かうっとりとした表情で俺の手許を見ている。
 高校に進学する前の春休みの間、毎日、昼と夜となく調教し続けた俺の肉棒に兄は服従するようになり――居残りをさせられていた間も毎日何度も苛まれることはなかったし、ましてや自分の躰を嬲る相手と食卓を共にしたり、四六時中、親も居るような場所でも気を抜くことができない状況に置かれて、兄は俺の望む通りの肉便所に成り下がった。
 担任や先輩方は兄がただの変態だと思っていたか、或いは自分のしていることに酔っていただけなのかもしれないが、兄が打たれたり痛め付けられることで性感を上限なく燃え滾らせる真性のマゾだということに気付いていなかったようだ。
 俺は両親に眠る部屋の真上で兄の口内に布を詰めこんでは犯し、両親のいない時間には兄には常に全裸で、ケツにはバイブを埋め込んだ状態を強いた。春休み中に兄にはフィストと二本挿しを課題にさせ、そこでも兄は完璧な優等生だった。
 高校に入ってからは兄は俺の言いなりになり、俺が命じればクラスメイトに躰を開き、または禁欲を強いられてオナニーも出来ずに一箇月を過ごしたりもした。
 兄のザーメンの全てを俺が掌握し、管理することで兄は心身ともに俺の奴隷になりそれを悦んだ。
「ひ……ッ、出ちゃ……ぁ……潤樹、出ちゃ……ゥうっ、ザーメン出ちゃいます……ッ!」
 紐をぶつりと切られた兄の肉棒は直ぐにも射精をしたがって、濁ったカウパー液を溢れさせた。
「イったらお仕置きだ」
 ベッドの上で股を開かせた兄の股間には陰毛がなく子供のようにつるんとしている。俺が剃毛して以来、兄には毎日毛の処理をさせている。
 俺に強制されて兄が躰を売る時、相手はその股間の異常さを見ると最初の内こそ戸惑いもするものの兄の変態性を理解して加虐意識を誘われるようだ。客にどのように虐げられ自分がどのように感じ、イキまくったのかを俺は兄に詳細に報告させた。話している内に兄は再び欲情し、俺にそれ以上の行為を求めて涎を垂れ流すのだ。
「っハ・ぅ……、ウぅー……ん……駄目……出ちゃいま、す・ゥ……! 潤樹、っ潤樹ィ……っ! あぁ、っあー……ごめんなさいっ、出る、イク、いくゥう……――ッ!」
 俺に見下ろされているだけで兄は独りでに腰を突き上げ、丸く開いた唇から涎に濡れそぼった舌をだらりとはみ出させて凶器の表情を晒しながら性を迸らせた。
 俺が眉を顰め、諌めるような顔をしているのを見ると悩ましげに腰をくねらせて何度も噴き上げる。お仕置きを望み、言い付けを守れなかった自分を詰ってくれるのを期待しているのだ。
 浅ましく、愚かな尻マンコ野郎だ。
「誰がイって良いって言ったんだよ」
 俺は、自分自信の精液を浴びて快楽の余韻に浸っている兄の顔に自分の萎えた肉棒の先端を向けた。しゃぶりつこうとするように兄がベッドの上を這って唇を近付けて来る。
「勝手なことをするんじゃねぇよ」
 擦り寄る頬を払い除けると、兄は鼻を鳴らして倒れ込んだ。その横面に催した小便を浴びせ掛ける。
「ふぁ……っ、ア・潤樹……うれ、嬉しいです……潤樹の、……おしっこ・飲ませて下さい……ッ」
 熱い排泄物を頬に受けた兄が再び躰を起こしてむしゃぶりついてくる。今度はそれをそのままにして、尿道から迸る小便を兄の咽喉の奥に直接流しこんだ。
「ンふ……、っん・ゥうン……」
 食道に勢いよく吹き付ける液体を感じると兄は火照った躰を小刻みに震わせながらそれを美味そうに飲み下した。鼻を突くアンモニア臭も兄には甘美に思えるのだろうか。
「兄貴、俺の言い付けを守れなかったらどうなるか判ってんだろうな……?」
 小便を出しきった後も兄に股間を吸い取らせながら、俺は態と優しい手付きで兄の額を撫でた。
「ぅ、ン……む・ふゥうん……んー……っ、お仕置き、して下さい……」
 舌の上にだらりと横たわる肉棒を、ちゅぱちゅぱと唾液に鳴らしながら兄は恍惚の表情で強請る。いつも通りの、良い返事だ。
「じゃあ、お仕置きしてくれる人を呼ぶよ」
 俺は扉の外に立つ男を呼び、優しく撫でつけた兄の頭を股間に押さえつけ、逃がさないように拘束した。
「ン……っ、……?」
 暗い室内に廊下の明かりが差し込むと兄もようやくうっとりと落とした目蓋を上げて、扉を見る。
「――……ッ!」
 押さえつけた頭が、俺の股間を離そうとして暴れた。勿論それを予測していた俺は兄の肩に足を掛けて許そうとはしない。
「母さん出掛けた?」
 俺が尋ねると、予め呼んだ、その男も初めて目の当たりにする兄の様子に困惑の様子を隠しきれないまま肯いた。しかしその股間には、紛れもない劣情の膨らみが見て取れる。俺は目を細めた。
「じゃあ、俺はちょっと休憩するから……遊んでやってよ、 ――父さん」
 もがく兄の躰からチンポを引き抜き床に突き飛ばすと、兄の愛用する机の椅子に腰を下ろした。
 兄の表情は蒼白している。
 俺が三年前の春休みに兄を追い詰めた時のことを彷彿とさせるような、ぞくぞくする表情だった。
「何やってんの、兄貴。早く父さんのチンポを引き摺り出してしゃぶってやれよ」
 部屋には俺の低い笑い声だけがよく響いた。
 この玩具は、まだまだ暫く遊べそうだ。