兄姦(3)

 尿道に残ったザーメンを舌の腹で押し出し、兄は俺のものを丁寧に最後の一滴まで啜り取った。唇を先端へと滑らせながら、最後はカリをちゅぱちゅぱと吸って尿道口を窄めた舌先で突付く。そうすればまた性を滾らせた俺のチンポが自分を責めてくれることを知っているからだ。
 兄の好きなようにさせて、ゆっくりとフェラチオを解き、熱の冷めやらない尻を叩く。弾けるような、それでいて甘い悲鳴を上げて兄の体が震えた。
「兄貴の好きな汁が床にも垂れてんぜ」
 唾液でぬらぬらと光っている俺の肉棒に夢中だった兄が慌てて床を覗き込んだ。四つん這いのまま獣のように床に飛び降りて、冷えたザーメンを躊躇いもなく舐め取る。下肢は俺を誘うように突き上げられ、助平な尻穴を晒している。
「親が一階で平和にテレビ見てるってのに、よくまぁこんなやらしいことできるよなぁ、頭おかしいんじゃねぇの?」
 バイブを咥え込んだ兄の尻は赤く熟れ、涎を垂らしている。俺が其処に触れて尻の谷間をなぞってやると、兄は更に高く下肢を突き上げた。もう零れたザーメンは綺麗に舐め取り、自分の唾液に濡れた床に頬を押しつけている。
「ふぅ……っ、ぅうん・ン……触って、潤樹・ィ……もっと、奥まで触ってぇ……」
 熱に浮かされたように兄は、腰を揺らめかせながら何度も強請りの言葉を吐いた。
「なぁ、心配しておふくろとかがいきなりドア開けたらどうすんだよ」
 俺が扉を振り返って尋ねると、俺の言葉など耳にも入っていないほど欲しがっているようでも、きゅっと蕾が締まる。
「自分の息子がさ、ケツにこんなぶっといの突っ込んで腰振って、血の繋がった兄弟のチン毛を口に挟んでさ。……おふくろ卒倒するぜ」
 兄の尻たぶがびくびくと震えた。紐で縛ってなかったらイっていたのかもしれない。
「……なぁ、ケツ掘って欲しいんだろ、兄貴の好きなぶっとくて熱いのでぐちょぐちょに掻き回してやろうか」
 俺は再び天を向いた自分の肉棒を掌で擦り上げながら甘く囁いた。うん、欲しい、欲しい、と兄は堰を切ったように泣き声を出す。
「アンアン女みたいによがり鳴いてさ、玉ン中空っぽになるまでイキまくって、……絶対一階にも聞こえるぜ、俺達がナニしてんのか」
 欲しい、と訴える兄の声が弱くなった。それでも俺の指に菊座の周囲を弄られて揺らめく腰は止まらない。
「兄貴の声めちゃくちゃデケぇもんな、突っ込んで直ぐイキそうな声出すじゃん」
 俺は兄の締めつけたバイブを一気に引き抜いて、緩くなった尻穴を覗いた。それだけで兄は甘い吐息で悶える。
「は・ぅう……ン……だって、潤樹のが……イイ、から……」
 ぬっちょりと濡れた尻マンの、襞に沿わせて指を滑り込ませる。びくびくっと兄は躰を震わせて、それに応じた。
「別に俺のに限らないだろ、兄貴はただのチンポ狂いじゃねぇか」
 指を二本突き込んで、コリっとした前立腺を嬲る。兄は床に爪を立てて呻き声を上げた。がちがちに張り詰めた肉棒は変色して、もう限界のようだ。
「そ、うで……す、僕は淫乱で・変態の……公衆便所、だか、ら……ッ……おちんちんがないと、体が疼いて……死んじゃう……ゥ、っ!」
 硬くなった乳首を責めて欲しいのか、兄は上体を床に擦りつけながら言って、何度も躰を痙攣させた。
「・っ潤樹、もうイかせて……! 死んじゃう……っ、駄目に・なっちゃうよぅ……!」
 咽喉を逸らして叫ぶ声は高く掠れている。まだ下の階を気にする余裕はあるということか。それとも単に我慢の限界で声も思うように出せないのかも知れない。腹に力を入れられないんだろうし。
「チンコを欲しがる尻マンコ野郎はてめぇのチンポなんか潰れたって構わねぇだろ?」
 俺は前立腺を擦る手を止め、そこへ屹立した自分のペニスをあてがった。期待なのか恐怖なのか、兄の息が詰まる。
 そのまま兄の都合なんて考慮せずに俺は締まりの良くなった尻穴に欲望をずぶりと突き刺した。兄が耐え切れなくなったように悲鳴を上げる。俺のごついカリ首が兄の一番敏感な体内を引き裂くように突き進む。
「ッ・やぁああ……っ!潤、……潤樹、ィ……! 駄目駄目、壊れる・死んじゃう死んじゃう――……ッ! イクイク……っン・あッ……イかせてェー……ッ!」
 兄の、脂汗に光った体が床の上でのた打ち回る。一階どころか近所中にも響き渡りそうな絶叫だ。