LEWD(82)

 年齢の割に濃いだろうと自負している白く濁った体液を吉村の小奇麗な顔に放つと、吉村は背後を同期の親友に突かれながら丸く開いた唇の中にそれを啜った。
 彼の顔半分を覆った私のスーツの上着にも、どろりとした汁が付着してしまったが仕方がない。この数ヶ月で、私のスーツが何度精に汚れてしまったか知らない。若い頃に無茶をしなかった分が今、男の躰に捌け口を見出しているのだろう。こんな生活がいつまで続くものだか判ったものではないが。
「ひ、ィ――……ッ! アっ・ぁ……あ、ンぁあ・っぃ、イ……」
 多田は吉村の下肢を前後に激しく揺さぶりながら鼻腔を拡げて呻き声の混じった荒い息を弾ませている。細い腰をくねらせながら吉村は我を忘れたように甲高い悲鳴を漏らし、今まで詰められていた息を取り戻そうとするように喉を震わせていた。
「イイのか、吉村?」
 汗と唾液、そして精液に塗れた吉村の頬に萎えた肉棒を擦り付ける。だらしなく開いた赤い唇から舌が伸ばされ、私の逸物に付いた汁の一滴までも舐め取ろうと吉村は私の腰を引き寄せながら頭を上下に振った。
 彼の頭を抑えていた手を、蹂躙された躰の下に潜り込ませると乳首を探った。触れてもいない内からピンと尖ったその箇所を爪の先で摘むと背筋が震え、硬直する。
「ぁ……あ、すっげ……たまンね、……ッ! は、っァ……」
 奥歯を噛み締めながら多田が喉を逸らし、天井を仰ぐ。吉村の尻を引き寄せながら腰を打ち付けると、張り詰めた玉の部分が吉村のそれと勢いよくぶつかって小さな音をたてる。その感覚が徐々に狭くなってきている。吉村の発情した喘ぎと、多田の漏らす低い呻き声が重なり合った。
「ぁ、ア……ッぁ・あ、……ぁ……ッ出る、出る……すげぇよ、出る……っ・イク――……!」
 カウパーと腸液でしとどに濡れ、絶え間なく掻き乱された尻穴が泡立った汁を床に垂らしながらぶくっと鳴った。奥深く突き刺した多田のペニスが、吉村の中で大量に精を吐き出したのだろう。
「ィ……ッ・ひ――……! あ、……ァア……」
 吉村の肌に指が食い込むほど強く掴んだ腰を小刻みに揺さぶりながら、多田が恍惚の表情を浮かべて何度も射精しているのが私にも判った。吉村は私の肉棒に舌を伸ばしながらも全身を痙攣させて、腹の中に流し込まれてくるザーメンの感触に酔っているようだった。

 快感に上り詰めた吉村を、射精の終えた多田と私で仰向けにすると全身を弄った。
 吉村はぐったりと力の抜けた四肢を床の上に投げ出していたがあまりにも感度が高すぎたのか、屹立した性器を萎えさせてはいなかった。声にならない声を唇から漏らしている。
「コレ、やばいンちゃいますか」
 興奮冷めやらぬ様子で頬を紅潮させたまま、多田が唇を震わせている吉村を笑った。仰向けの吉村の腿を上げさせながら、その間に自らの躰を入れて脇腹を擽るように撫でる。確かに吉村は薬を打たれた廃人のように手足を戦慄かせ、全身を性感帯にしていた。
「病み付きになってしまうという意味で?」
 私が尋ねると多田が可笑しそうに背中を丸めて肩を震わせる。実際吉村は快感に弱いし、もしかしたら私が工場に戻った後同じ刺激を求めて再び夜の街に出るようになるかも知れない。今日のようなセックスをするために。
 多田が、締まりのない吉村の唇から漏れ伝った私の精液を啜った。
「は・ァ……ッふ……」
 それだけで吉村は鼻を甘く鳴らして舌を差し出す。もはやそれが誰の唇なのかも気にしていないだろう。多田も、吉村の唇の中に残った苦味を探るように舌を捻じ込む。容赦なく差し入れられた肉塊で吉村の咥内はすぐにいっぱいになって、頬が膨らんだ。その中で濡れた音がクチュクチュと響いて聞こえた。
 私は多田の下肢に回り込むと、重なった二人の性器を眺めた。まだ射精をしきれないでいる吉村は解放を強請るように多田の股間に勃起を擦りつけてひっきりなしに腰を揺らめかせている。その背後からは大量に流し込まれた多田の白濁を滴らせて。
 重ねた躰の間で、多田のスーツも吉村の体液に汚れてしまっていることだろう。この後彼も仕事に戻らなければいけないだろうに。
 私は二人の下肢を覗き込むように躰を屈めると、先ずは吉村の尻に手を伸ばした。
「く、……ぅンっ」
 唾液を吸われながら吉村が声を弾ませる。普段以上に過敏になっている尻穴に指を忍ばせると、吉村は多田の腰に両足を絡み付かせて後孔を晒した。執拗に擦り付けられる男根に刺激された多田の股間も再び脈打ち始めているのが背後から見て取れる。
 私は多田の腰を掴んで膝を立たせると、目前に二つの尻穴を並べた。