LEWD(83)

 多田の腰にぶら下がった吉村の下肢が、緩くなった後門に挿し入れた私の指を物欲しそうに締め付けてくる。しかし多田の穿ちを存分に受けた後のそこは、いくら締め付けようとしても体液が溢れてくるばかりでただのヒクつきにしかならない。
「ァ、む……ッぅン、んんぅ――……梶、……っ谷さ……俺の、も……」
 吉村に唇を舐められながら、多田が喘いだ。我をなくした吉村に責められて多田も性感を高めているようだ、先程携帯電話を挿入したばかりの尻穴が赤く色付いて蕩けている。
 獣染みた熱い吐息が室内に充満していた。それは勿論彼ら二人だけのものではない。私の呼気も充分に熱を帯び、興奮している。
 吉村の口に発射させたばかりの肉棒を右手に扱きながら、私は吉村の体内に溢れたザーメンを掬って多田の尻に塗りつけた。床に膝を立て、下肢を突き上げている多田が背筋を仰け反らせて身を捩る。するとそれに伴って吉村の腰も多田の下で揺れ、間に重ねられた二本の欲望が擦れあってビクビクと震えた。
 自身の白濁を塗りつけられた多田の肉襞が私の指に絡みつき、離れまいとして捲れ上がるのを覗いていると右手で高められた私のものも疲れを知らない様子で勃起してくるのが判る。熟れた菊座が上下に構えているのを眺めていると、私は堪らなくなって躰を起こした。
 白濁を啜り合っているのか唾液を分け合っているのか、唇を合わせながら陶酔しきっている彼らの上に圧し掛かるようにして腕を突いた。吉村は多田の腹にペニスを擦り付けることで何とか昂りすぎた欲情を放出しようとしているのか、もはや声にならない喘ぎを鼻腔から漏らしながら多田の唇を吸っていた。先程の冗談ではないが、本当に麻薬中毒者になったかのように恍惚としているのが、顔半分を隠していてもあらわに判る。
 私は敢えて下肢を見ずに右手の怒張をアナルにあてがった。
「ァ・――っひィ、んッ……ふぅ……!」
 甲高い声を漏らして全身を総毛立たせたのは吉村の方だった。一発多田のザーメンを受けてぬかるみ状態になった肉壷を突き刺す。
「ぁッ・ヒ、ァあ、ぁっはい……ィ・はイってくる、ゥ……っ! 梶た……にさ……ァ……っ!」
 自分が今犯されているのが誰のものなのか、完全に判らなくなっているだろう。吉村は多田の背中に爪を立てて、それでも誰の物か判らないペニスに、尻を振って応えた。既に満たされた穴の中の体液が、私の容量の分だけ穴の外に、割れ目を伝って零れ落ちる。
 ゆっくりと出し入れした私の凶器に、多田の白濁が絡みついて濡れた音をたてた。戦慄くように締め付けられる乱れた襞の感触が脳天にまで走り、心地好い。私は下から突き上げるようにして吉村の尻を突き、多田の躰ごと揺らした。
 吉村の体内から浮かび上がった私の男根のうねりは多田の肉棒にも響くのだろう、吉村の嬌声と多田の呻き声が重なる。私は吉村の躰から勢いよく腰を引き、分身を抜き出すとすぐ上に口を開いた多田の尻を刺した。
「ふぁ、……っァ・あ、ア……っあァ……ああアっ……!」
 不意に直接与えられた肉棒が熱かったのか、多田は床の上の膝を崩れさせながら吉村の口を吸うのも忘れて唇を丸く開いた。彼の躰を快楽が走り抜けて行くのが上から見て取れる。背筋を波打たせて、首を反らせた。
 背後から突けば逃げそうになる多田の躰を抑え込んで、叢が多田の尻穴に入り込むほど深く、根本まで腰を打ちつけた。
「クぅ、……ゥ……んッ・あ、は……ぁ……ッイイ……ァ・熱……ィ・っ」
 がちがちに張ったカリ首を捻じ込んだ多田の腹の中は、容赦なく締め付けてきて息苦しいほどだった。その狭い腔道を押し広げるように腰を緩く回転させる。多田は背中を仰け反らせて腰を高く掲げ、私のグラインドを求めるように尻を突き出した。
「……ッ! ――ヒ、っ……くぅ……ン、んッ……!」
 突然、多田の声が更に高く跳ね上がる。肉棒を包みこんでいた肉壷も緊張したように縮まり、まさかもうイってしまったのかと多田の様子を見下ろすと、
 吉村が多田の胸の上を舌先であやしていた。